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蜂の記憶力〜蜂は人の顔を覚える?〜

蜂の記憶力〜蜂は人の顔を覚える?〜

ときどき、もしかして「蜂は人の顔を覚える」のではないか、と思うことがあります。

散歩をしていると、ぶ〜んとどこからか飛んできた黒くて大きな蜂(おそらくクマバチ)が、突然目の前に。

翌日も同じ道を歩いていたら、再び同じような姿形の蜂が横を飛んでいました。

また、さらにその翌日も、ほとんど同じ場所で蜂は目の前に現れ、思わずぶつかりそうになったことも一度や二度ではありません。

その道は、それほどたくさんの蜂が飛び回っている場所でもなく、見晴らしもよい空間で、明らかにこちらを目掛けて飛んできます。

それは「偶然」というレベルではありません。

もしかしたら蜂は人のことを覚えるのではないか。それが色なのか、匂いなのか、顔の形なのかは分かりませんが、蜂は意外としっかりした記憶力があるのではないか、と思うようになりました。

実際に調べてみると、記憶力とまでは行かないかもしれませんが、学習能力があるという研究もあるようです。

先行研究では、ミツバチとスズメバチが人間の顔の認識を学習できることが示されている。またアシナガバチ(Polistes fuscatus)が他のアシナガバチの顔をきわめて正確に認識することができ、顔認識処理のための脳機構を進化させたらしいことも明らかになっている。

出典 : 小さな存在だけど…ハチは人の顔を個別に認識できることが判明(国際研究)

蜂は特徴を組み合わせることで特定の人の顔の認識が可能である、ということが分かってきているとのこと。

ハチは特徴を組み合わせて特定の人の顔を認識しているのである。

ハチの小さな脳は少なくとも限られた数の顔ならきちんと認識できる。このことは、人間の脳の大きさの利点は、数多くの顔を記憶できることでしかない可能性を示唆している。

出典 : 小さな存在だけど…ハチは人の顔を個別に認識できることが判明(国際研究)

人間の顔を認識し、学習する、ということであれば、人の顔を記憶する、という(どの程度の記憶力かはわかりませんが)可能性もあるのではないでしょうか。

蜂は相当賢いようなので、何度も顔を見せる蜂も、こちらのことを友達だと思っているのか、それとも敵だと思っているのかは分かりませんが、覚えていて現れるというのもあり得ることかもしれません。

もう一つ、蜂の記憶力に関する記事では、自分の巣の場所を覚えている、という話もあります。

椅子の下にあった蜂の巣を、椅子ごと3m程度移動させておいたところ、多くの蜂は新しい場所に置かれた巣に戻るものの、2匹だけ元の場所に戻ってきたとのこと。

3mほど移動しただけなのでハチがどうするか興味があり、観察した。ほとんどのハチは巣を出るときに、何か様子が変だなと思うのか椅子のまわりをゆっくりと飛んでから姿を消す。ところがそのままもとの巣があったベランダに戻ってくる個体が2匹いた。

1時間近くも巣を探している。このハチは巣を出るときに、その時の巣ではなく、前に巣のあった場所の記憶が残っているのであろう。ハチによって記憶の残り方は違うようで、新しい場所で落ち着くものがほとんどだ。

出典 : ハチの記憶力

この話から推測するに、蜂は巣の匂いなどに反応しているのではなく、その場所を記憶しているのではないか、という風にも考えられます。

日本養蜂協会では、ミツバチが高い記憶力や学習能力があると指摘されています。

ミツバチは優れた記憶・学習能力をもっています。巣箱の位置、花の色、形、匂い、開花時刻、花の咲いている場所などを覚え、再度の訪問の時に役立てています。

出典 : ミツバチの生態|日本養蜂協会

位置だけでなく、色や形、時刻なども記憶しているということで、種類によっても違いはあるでしょうが、相当高い記憶力があるのでしょう。

最初に触れた、必ず現れる蜂が、こちらの顔を覚えているのでは、というのも、やはり普通に記憶しているのかもしれません。

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