Contents
- 1 マグサイサイ賞の日本人受賞者
- 1.1 マグサイサイ賞とは
- 1.2 歴代の日本人受賞者
- 1.2.1 政治
- 1.2.2 社会奉仕
- 1.2.3 社会指導
- 1.2.4 報道・文学・創造的情報伝達
- 1.2.5 平和・国際理解
- 1.2.5.1 受賞 1967年 – 那須皓(農学者)
- 1.2.5.2 受賞 1980年 – 松本重治
- 1.2.5.3 受賞 1984年 – 川喜田二郎
- 1.2.5.4 受賞 1993年 – 岩村昇(ネパールの無医村での医療活動や各国青年の農業支援)
- 1.2.5.5 受賞 1996年 – 高見敏弘(アジア学院創立者、農村指導者育成)
- 1.2.5.6 受賞 1997年 – 緒方貞子
- 1.2.5.7 受賞 2001年 – 平山郁夫(中国や中央アジアなどでの文化財保護や相互理解活動)
- 1.2.5.8 受賞 2003年 – 中村哲(NGO「ペシャワール会」現地代表)・遠山正瑛(鳥取大学、中国・内モンゴル自治区での緑化活動)
- 1.2.5.9 受賞 2010年 – 秋葉忠利(広島市長、核廃絶キャンペーン)
- 1.2.5.10 受賞 2016年 – 青年海外協力隊
マグサイサイ賞の日本人受賞者
マグサイサイ賞とは
国際的な賞としてノーベル賞は有名ですが、マグサイサイ賞という権威ある賞をご存知でしょうか。
マグサイサイ賞とは、「アジアのノーベル賞」と呼ばれる権威ある賞で、名称は1950年代にフィリピン大統領を務めたラモン・マグサイサイ氏に由来します。
マグサイサイ賞の創設は1958年、アジア地域で社会貢献などで功績のある個人や団体が対象者として贈られる賞となっています。
マグサイサイ賞の部門は、以下の通りに分けられます。
- 政府 (Government Service)
- 社会奉仕 (Public Service)
- 社会指導 (Community Leadership)
- 報道・文学・創造的情報伝達 (Journalism, Literature, and Creative Communication Arts)
- 平和・国際理解 (Peace and International Understanding)
- 新興指導者 (Emergent Leadership)
ノーベル賞と違い、マグサイサイ賞はあまりテレビなどで取り上げられることはありませんが、世界的に有名な人物としてダライ・ラマ14世やマザーテレサの他、数多くの日本人も受賞しています。
歴代の日本人受賞者
政治
受賞 1964年 – 三木行治(岡山県知事、地方振興) 1903 – 1964
日本の政治家(元岡山県知事)で医師の三木氏は、水島臨海工業地帯の誘致など、岡山県の発展に寄与したことからマグサイサイ賞を受賞。日本人初の受賞者。
受賞金は県に全額寄付、この受賞金と県民からの寄付金をもとに、翌年、岡山県三木記念事業基金が設立。
故岡山県知事三木行治氏は、昭和39年に日本人として初めて、アジアのノーベル賞といわれているマグサイサイ賞を受賞されましたが、この受賞は全県民の協力の賜物であるので、これを郷土の発展に役立てたいとの考えから、受賞金の全額を県に寄付されました。
県では、氏の私なき献身の精神と業績を末長く称え、遺志を引き継ぐため、この寄付金と県民からの浄財とによって40年に岡山県三木記念事業基金を設置しました。
受賞 1974年 – 黒木博(宮崎県知事、農業と観光の振興) 1907 − 2001
日本の政治家(元宮城県知事)で、農政に尽力し、景観や環境に目をつけ宮崎県の観光地化を推進。マグサイサイ賞を受賞。
受賞 1995年 – 平松守彦(大分県知事、一村一品運動) 1924 − 2016
日本の政治家(元大分県知事)で、元通産官僚でもあり、「国は通貨、国防、外交。福祉、教育、農業などは地方に任せるべき」という考え方。
その土地土地で、自分たちの特産品を育て、地方振興を進めようという「一村一品運動」を提唱。ローカルの視点からグローバルに繋がっていく、ということを大事にした。
「ローカルにしてグローバル」という標語のもと、全国・世界に通じる物を作る、という目標を掲げ、自主的な取り組みを尊重し、行政は技術支援やマーケティング等の側面支援に徹することにより、自主的に特産品を育てることができる人や地域を育てる「人づくり」「地域づくり」を行おうとした。
また、付加価値の高い特産品を生産することによって、農林水産業の収益構造の改善を目指した。
社会奉仕
受賞 1968年 – 東畑精一(農学博士) 1899 − 1983
日本の農業経済学者。アジア・アフリカなどの新興独立国を対象とする地域研究の制度化・組織化を指導し、アジア経済研究所初代所長に就任。
農業の近代化に対する貢献から、マグサイサイ賞受賞。
受賞 1988年 – 福岡正信(自然農法の実践家)
日本の農業指導者。無農薬、無肥料、無除草、耕さない、という「自然農法」を提唱。
また、粘土団子という100種類以上の種を混ぜた団子を使った砂漠緑地化も実践。ギリシャ、スペイン、タイ、ケニア、インド、ソマリア、中国、アフリカなどの十数カ国で行なった。
東南アジアでも、この粘土団子の方法で荒野が蘇り、1988年にマグサイサイ賞を受賞。
受賞 2017年 – 石澤良昭(アンコール遺跡群の修復と保全)
日本の歴史学者で、元上智大学の学長。学生時代から45年のあいだカンボジアのアンコール・ワット遺跡群の調査、研究。
内戦で日本との国交が断たれてからも現地に入り、保護活動に従事。
外国人の研究者が主導してきたアンコール遺跡の発掘・保存・修復作業を、「カンボジア人自身が遺跡を守るべき」との理念を掲げ、現地に「アジア人材養成センター」を設立するなど、「行動する大学教授」としてカンボジアでも名前が知られる。
社会指導
受賞 1974年 – 市川房枝
日本の政治家、婦人運動家。第二次世界大戦前後に渡り、日本の婦人参政権運動を主導。
国際連合に日本人女性を、という想いから、国際政治学者だった緒方貞子氏を、国連総会日本代表団に入るよう説得。
1981年、86歳で死去。
受賞 1976年 – 若月俊一(佐久総合病院院長、日本の集団検診のさきがけ)
日本の医師。長野県佐久市に病院を育て、農村医療を確立した。
無医村への出張診療や「予防は治療に勝る」という考えの啓蒙活動など農村医療に尽力し、その功績からマグサイサイ賞を受賞。
2006年、96歳で死去。