妊婦さんや赤ちゃんにもおすすめのミネラルウォーター
健康志向の影響から、浄水器を使ったりペットボトルのミネラルウォーターを購入するというのが日本でも割と一般的になってきました。
水の安全性について不安を感じているひとが増えていることの現れでもあるでしょう。
農薬など化学物質による汚染、また浄化に際し使用される塩素など、たとえ直後の体調不良には繋がらなかったとしても、蓄積されていったときにどうなるか不安だ、妊婦さんや赤ちゃんの粉ミルクに使っても大丈夫なのかな、という心配の声があるのも自然なことだと思います。
いまや日本の水道水は、世界で最も塩素注入量が多い水になってしまいました。
それでは、少しでも安心で体に優しい水を使いたい、というときに、どういった水を選べばよいのでしょうか。
まず、市販のミネラルウォーターには、以下のような四つの種類と基準が存在します。
1.ナチュラルミネラルウォーター:
ナチュラルウォーターの中でも、ミネラルをもともと含む地下水を原水とした水。処理方法はナチュラルウォーターと同じく、沈殿、ろ過、加熱殺菌に限る。日本で一般に「ミネラルウォーター」と呼ばれるタイプ。2.ナチュラルウォーター:
特定の水源から採水された地下水を原水とし、沈殿、ろ過、加熱殺菌以外の物理的、化学的な処理を行っていないもの。3.ミネラルウォーター :
ナチュラルミネラルウォーターの中でも、品質を安定させるためにミネラルの調整やばっ気、複数のナチュラルミネラルウォーター混合、紫外線やオゾンによる殺菌、除菌などの処理を行っているもの。4.ボトルドウォーター:
1~3以外の飲料水。例えば、純水、蒸留水、水道水など。処理方法の制限はなく、大幅な改変を加えてもよい。
一般的に、販売されているミネラルウォーターのラベルには「ナチュラルミネラルウォーター」と表示があるものがほとんどです。
しかし、日本とヨーロッパでは「ナチュラルミネラルウォーター」の基準に違いがあります。
日本の場合、ミネラルウォーターには「殺菌」が義務付けられていますが、ヨーロッパではむしろ「殺菌しないこと」が義務付けられています。
日本では、採水地付近の農薬の使用禁止など採水地が安全であるための方策は取られない代わりに「殺菌」のほうを取り決め、ヨーロッパでは採水地の「自然な環境」を守り、殺菌しないでも安心な水がとれるように安全確保、自然保護に関する規制があります。
そのため、日本のミネラルウォーターのほうが、採水地やメーカーによって安心の度合いにばらつきが出る傾向にあるようです。
健康面などから見て比較した場合、どのメーカーのミネラルウォーターがおすすめなのでしょうか。
上のリンクにある妊婦さんや赤ちゃんを想定して書かれた調査記事(2007年と少し古い調査ですが)によれば、大手メーカーでは国産のミネラルウォーターだとアサヒの「バナジウム天然水」がまだ安心で、海外産だと「ヴィッテル」や「クリスタルガイザー」が安全性が高いという結果が出ています。
ただ、赤ちゃんの場合は軟水がよく、ミネラル分(カルシウムやマグネシウム)の多い硬水は負担が大きいので、硬水の「ヴィッテル」は赤ちゃんの粉ミルクには避けたほうがよいでしょう(硬水 : 1リットル中硬度120mgを以上の水 軟水 : 1リットル中硬度120mg以下の水、日本の水は軟水が多い)。
ミネラルウォーターは含まれるミネラル成分の硬度によって、硬水と軟水に大きく分けられます。硬度とは、水1リットルの中に溶け込んでいるカルシウムとマグネシウムの量を表した数値のこと。120mg/lを超えると硬水、120mg/l未満のものを軟水といいます。
粉ミルクにミネラルウォーターを使用する場合は、ミネラルウォーターの商品パッケージに書いてある硬度に注意し、できるだけ硬度の低い軟水を使ってください。赤ちゃんの粉ミルクに「硬度300mg/l以上のミネラルウォーター」は、使わないでください。
硬度が高い水は、存分に含まれたミネラルの影響でお腹がゆるくなり、便秘などには効果的なことで有名なのですが、赤ちゃんには軟水を、というのが一般的です。
ただ、そのどれくらいがOKの範囲かという解釈は様々で、フランス産のミネラルウォーターであるエビアンは硬度304mg / Lの硬水ですが、公式サイトでは飲んでも大丈夫とあります。
エビアンの水は、水源から採水地まで徹底して保護された環境にあります。その守られた水質を変えないために、工場でも一切空気に触れることなくボトリングしておりますので、赤ちゃんやお子様でも、安心してお召し上がりいただけます。
硬水なら即座に大変だ、ということではなく、この辺りの考え方は色々幅があるようですが、できれば軟水を使ったほうがよいでしょう。
以下、参考までに、大手メーカー以外に、この調査結果で安全性の高い結果が出た国産ミネラルウォーターの一覧です。
水の名前 | メーカー | 採水地 |
早池峰霊水 | 佐々長醸造 | 岩手県和賀郡 |
仙人秘水 | 釜石鉱山 | 岩手県釜石 |
香村 金剛水 | 香村工芸 | 福島県伊達群 |
心水 | 会津心水 | 福島県大沼郡 |
温泉水(真木温泉の源泉) | 山河亭観光 | 山梨県大月市 |
オキシマックス | ジョージオリバーGO | 山梨県南都留郡 |
観音温泉 | 観音温泉 | 静岡県下田市 |
富士山朝霧とびっきり銘水 | 朝霧ビバレッジ | 静岡県富士宮市 |
朝霧水 | 朝霧ビバレッジ | 静岡県富士宮市 |
富士山麓 天然の水 | ケーヨー | 静岡県富士市 |
立山山麓のおいしい水 | コブロ | 富山県常楽寺自然環境保全地域 |
からだにうるおうアルカリ天然水 | ケイ・エフ・ジー | 島根県浜田市 |
アルカリイオン水 温泉水99 | エスオーシー | 鹿児島県垂水市 |
財宝 | 財宝 | 鹿児島県垂水市 |
財宝温泉 | 財宝 | 鹿児島県垂水市 |
地球の深層水「潤命」 | 尾迫産業 | 鹿児島県垂水市 |
このなかで割と手に入りやすいミネラルウォーターとしては、女優さんやモデルさんにも愛飲者の多い「温泉水99」でしょうか。「温泉水99」の場合、硬度も約1.7mg / Lと軟水なので赤ちゃん向けにもおすすめです。
温泉水99は硬度1.7というとても軟らかなお水ですので、赤ちゃんやお年寄り、ペットなどにも安心してお使いいただけます。
海外産の「クリスタルガイザー」も硬度38mg / Lと軟水なので使用に問題はありません。
また、無農薬無肥料の自然栽培野菜を中心に定期宅配や販売を行なっている企業に「ナチュラルハーモニー」がありますが、このお店で扱っているミネラルウォーターは、北海道の天然水「新水いぶき(硬度 26mg / L)」や「養老の天然水 龍泉の雫(硬度51mg / L)」などです。
こうした自然食品のお店で扱っているミネラルウォーターを選んだり、相談してみるのもおすすめです。
妊婦さんやママさんパパさんの日々の食生活のなかで安心な水を使用しようと思うと、いっぺんに全ての水を変えるのは困難ですが、その場合は優先順位を決めるようにするとよいでしょう。
たとえば、お米を炊くとき、お米が水をもっとも吸収するのが「研いでいるとき」と「浸水しているとき」なので、このときだけでもミネラルウォーターを使うようにするとよいでしょう。
よく健康法には呼吸が大事だと言われるのは、呼吸や空気というものが一日のあいだで一番頻繁に行われるからですが、同じように水や食事というのも、日々の習慣で影響が良くも悪くも蓄積していくものなので、まずは使っている水などに気をつけるようにしましょう。
以上、妊婦さんや赤ちゃんにもおすすめのミネラルウォーターでした。